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余白は「空いた時間」ではなく、先に決めた使い道

余白は「空いた時間」ではなく、先に決めた使い道

私たちは社是に「Let's 縁楽(en-joy)」を掲げています。縁を力にして「楽」を生み出すという意味ですが、この「楽」には2つの意味を込めています。仕事がスマートになる楽(らく)と、働くことが楽しくなる楽(たのしさ)です。効率化の取り組みをいくつも手がける中で、私たちが一番気をつけているのは、実はこの2つをつなぐ部分です。

効率化のゴールを、最初に決めていますか

作業時間を短縮する、手作業を減らす、確認の往復をなくす。こうした取り組みは成果が数字で見えるので、取り組みやすく、評価もしやすいです。ただ、ここで生まれた時間を「何に使うか」まで決めている現場は、思っているより少ないと感じています。

余白は放っておくと、自然には残りません。空いた時間は、別の誰かの依頼や、後回しにしていた雑務にすぐ吸収されます。結果として「効率化はしたのに、前より楽になった感じがしない」という声が出てきます。これは効率化そのものの失敗ではなく、生まれた余白の使い道を先に決めていなかったことが原因だと考えています。

余白をこぼさない仕組み

私たちが社内やお客様の現場で実践しているのは、効率化の企画段階で「浮いた時間を何に使うか」を一行でも先に書いておくことです。たとえば、浮いた30分を新人の質問対応に使う、月末の集計時間を減らした分を来月の販促の準備に回す、といった具体的な行き先です。

行き先が決まっていないと、浮いた時間は管理者の目には「余剰」として映り、別の業務が当てはめられがちです。それ自体が悪いわけではありませんが、効率化に取り組んだ本人にとっては「楽(らく)」が「楽(たのしさ)」につながらないまま終わってしまいます。この2つの楽をつなぐのが、先に決めた使い道だと思っています。

熊猫商店での実践

名古屋・金山で自社運営しているラーメン店「熊猫商店」でも、同じ考え方で運用しています。提供時間や会計の手間を減らす取り組みをするときは、必ず「短縮できた時間を何に使うか」をスタッフと一緒に決めてから始めます。接客で一声多くかける、仕込みの質を上げる、休憩をしっかり取る。どれも小さなことですが、行き先が決まっているかどうかで、効率化そのものへの納得感が変わってきます。

お客様に提案する前に自店で試すのは、効率化の効果だけでなく、その後に生まれる余白が実際にどう使われるかまで見ておきたいからです。数字の改善だけを見ていると、この部分は見えてきません。

縁を紡ぐための余白

私たちは縁を大切にする際、礼を尽くす、黒子に徹する、後から笑える良縁を紡ぐという3つを意識しています。余白は、この「後から笑える良縁」を紡ぐための時間でもあると考えています。急いで効率化を進めるほど、生まれた時間を次の作業にすぐ使ってしまいたくなりますが、一呼吸置いて、誰かのために使う、チームで振り返るために使うと決めておくと、効率化そのものの意味が少し変わってきます。

効率化を検討されている方には、施策の効果だけでなく「浮いた時間の行き先」も、取り組みを始める前に一緒に決めることをお勧めします。

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