
私たちは名古屋・金山で「熊猫商店」というラーメン店を自社運営しています。月初に売上を振り返るとき、「今月は良かった」「今月は伸び悩んだ」という一言で終わらせてしまうと、次に何をすればいいのかが見えてきません。売上は結果の数字であって、原因の数字ではないからです。
同じ売上でも、中身はまったく違うことがあります。客数が多くて単価が低かった月と、客数が少なくて単価が高かった月では、打つべき手が逆になります。そこで私たちが実務で分けて見ているのが、客数と回転率です。
売上を「客数」と「回転率」に分ける
売上は、客数と客単価を掛け合わせた数字です。ここまでは多くの店で見ていると思います。私たちがもう一段階分けているのが、客数をさらに「回転率」で見ることです。
回転率は、席数に対して1日に何回席が入れ替わったかを示す数字です。目安としては、
- 客数 ÷ 席数 = その日の回転率
で計算できます。例えば席数20の店で1日80人が来店したら、回転率は4回転です。これを曜日別・時間帯別に並べると、「席は空いているのに客数が伸びない時間」と「満席だが回転できていない時間」が別の問題として見えてきます。前者は集客の問題、後者は提供スピードや滞在時間の問題です。原因が違えば、対策も違います。
回転率が落ちているときに、まず見る場所
回転率が下がったとき、私たちが最初に見るのは「客数が減ったのか」「1人あたりの滞在時間が延びたのか」の切り分けです。客数が変わらず回転率だけ落ちているなら、提供時間や会計のタイミングに原因があることが多く、キッチンの動線や会計方法を見直す余地があります。逆に客数そのものが減っているなら、回転率をいくら改善しても売上は戻りません。この場合は集客側の施策が先になります。
この切り分けを怠ると、「回転率が落ちたから省人化しよう」「客数が減ったから単価を上げよう」といった、原因とずれた対策を打ってしまいます。数字を分けて見る目的は、打ち手を外さないことにあります。
明日からできる小さな一歩
大きな分析基盤を用意しなくても、POSレジの会計時刻と人数のデータがあれば、客数と回転率は分けて出せます。まずは1週間分だけ、時間帯別に「客数」と「回転率」を並べて見てください。売上のグラフだけでは重なって見えなかった動きが、分けることで別々に見えてきます。
私たちも、自社のPOS・セルフオーダーの運用支援の中で、この「分けて見る」考え方を前提にデータを整理するお手伝いをしています。すでにお持ちのデータから始められる範囲で構いませんので、気になる方はお気軽にお声がけください。
数字を分けて見ることは、特別な分析スキルがなくても、今あるデータの並べ方を変えるだけで始められます。来月の振り返りから、客数と回転率を別の行に分けてみることをお勧めします。