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提供時間の改善、機器を買う前に試したこと

提供時間の改善、機器を買う前に試したこと

金曜・土曜の夜、熊猫商店(名古屋・金山のラーメン店)は提供までの時間がどうしても延びます。こういうとき、まず頭に浮かぶのは「券売機を増やす」「キッチンディスプレイ(KDS)を入れる」といった機器の導入です。ただ私たちは、機器を検討する前に、まず運用だけを変える小さな実験をすることにしています。今回はその実証記録です。

試したこと:呼び出し方法を変えるだけ

買ったものは何もありません。変えたのは「オーダーが入った」ことをホールとキッチンでどう共有するかだけです。

それまでは、料理ができた時点でキッチンから声をかける一方通行の運用でした。これを、オーダーを受けた時点でも一声かける仕組みに変え、ピーク帯だけホールの1人を「進行確認」役にして、提供待ちの卓を定期的に見て回ってもらいました。

道具はホワイトボードと口頭だけです。システムを変える前に、まず「人のやり方」でどこまで改善できるかを確かめるのが目的でした。

結果:良かった点と、そうでなかった点

良かった点は、お客様から「まだですか」と聞かれる回数が目に見えて減ったことです。進行確認役が先に気づいて声をかけられるようになったため、お客様が不安を感じる時間そのものが短くなったという感覚があります。提供の遅れ自体がゼロになったわけではありませんが、待たされている印象は変わりました。

一方で、うまくいかなかった点もあります。進行確認役を1人専任にすると、スタッフの少ない日はホールの手数が足りなくなり、逆に接客全体が遅れる場面がありました。つまりこの方法は「余裕のある人員配置が前提」であり、人手そのものが足りない日には効果がないどころか、マイナスに働くことが分かりました。

他の店で試すなら、先に測るものを決める

今回の実験でいちばん大事だったのは、機器を買う前に「何を測るか」を先に決めたことです。私たちは売上やレジ通過数ではなく、「まだですか」と聞かれた回数という、現場で誰でも数えられる指標を選びました。難しい集計をしなくても、1〜2週間その場で数えるだけで、運用を変える前と後の違いが見えます。

この小さな実験を自店でやらずに、最初から券売機やKDSを導入していたら、「待ち時間への不安」と「提供そのものの遅れ」のどちらに効いているのかが分からないまま投資していたと思います。運用で解決できる部分と、機器でなければ解決できない部分を分けてから機器を検討する。そうすることで、導入後に「思ったほど変わらなかった」という結果を避けやすくなります。

同じことは、どの飲食店でも試せます。システムを入れる前に、まず今あるホワイトボードと人の動きだけで、1つの変数を変えてみる。そこで出た数字が、本当に機器が必要な理由を教えてくれます。

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