
毎月の売上集計を、ピボットテーブルで作っている方はどれくらいいるでしょうか。 「作り方は知っているけれど、毎回少し身構える」という方が多いのではないかと思います。 その作業のハードルが、この数か月でかなり下がりました。
日本語で「集計して」と頼むだけで、表やグラフができる
Googleスプレッドシートには、Geminiが自然言語の指示だけでスプレッドシート全体を構築・編集する機能があります。 2026年6月には、この機能が日本語を含む28言語に対応し、ピボットテーブルの作成・グラフの生成・数式の挿入などを日本語の指示だけで行えるようになりました。
やり方は、サイドパネルに「商品別・月別の売上を集計して、グラフも作って」のように頼むだけです。 Geminiはまず作業の計画を示してくれるので、それを確認してから実行させる形になっています。 関数名を思い出したり、ピボットテーブルのメニューを辿ったりする手間が、会話に置き換わったという印象です。
大きなデータセットにも、会話形式で踏み込める
もう一つ見逃せないのが、Connected Sheetsで接続したBigQueryのデータを、Geminiが自然言語で分析できるようになったことです(2026年10月発表)。 スプレッドシートに貼り付けきれないような量のデータに対しても、サイドパネルから「前の四半期の売上合計は?」「前年の同じ四半期と比べてどう?」と会話を続けながら掘り下げられます。
POSレジのデータや予約データのように、日々の件数が多く蓄積されていく情報を扱う店舗・企業にとっては、 「まず抽出してシートに落とす」という前段の作業そのものを減らせる可能性がある機能です。 加えて、Gemini in Google SheetsはiOSでも使えるようになっており、外出先で数字を確認しながら頼める場面も増えてきました。
実務で使うときに、私たちが気をつけていること
熊猫商店の売上データでも試してみましたが、便利だからこそ気をつけたい点がいくつかありました。
- 計画を確認する一手間を省かない:Geminiは実行前に手順を示しますが、ここを読まずに「はい」を押すと、意図と違う集計軸でグラフが出来上がることがあります。
- 元データの正本はどこかを明確にしておく:スプレッドシート上で加工した表が、いつの間にか「正本」のように扱われてしまうと、元データが更新されたときに古い集計が残ります。私たちは集計タブと元データタブを分け、集計タブは作り直す前提で運用しています。
- 最初の1回は人が結果を見る:特に金額が関わる集計は、Geminiが作った数式やピボットテーブルの集計範囲を一度は目で確認しています。省けた手間は「作る」部分であり、「確認する」部分ではないと考えています。
「らく」になった分、何を見るかに時間を使う
この機能が良いと感じるのは、集計表を作る時間が減るからではなく、その分を「数字から何を読み取るか」に使えるようになるからです。 表を作ることに集中していた時間が空けば、売上の変化に気づいたり、現場に確認しに行ったりする余裕が生まれます。 私たちはこうしたGoogle Workspace・Geminiの実務活用を、DX・AI研修でも中小企業の皆様にお伝えしています。
ツールが変わっても、最後に数字を判断するのは人であることは変わりません。 だからこそ、空いた時間を次に何へ使うかを、私たちはこれからも考えていきたいと思います。