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補助金・助成金、申請の前に決まっていること

補助金・助成金、申請の前に決まっていること

補助金・助成金の話をすると、多くの方が最初に気にするのは「締切まで何日あるか」です。ですが実務でつまずくのは、たいてい締切そのものではなく、申請書を書く前にある手続きのほうです。これらは審査とは関係なく、日数だけで決まっています。先に動いておかないと、締切に余裕があっても間に合いません。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)—申請前の2つの手続き

2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」という名称に変わりました。補助上限450万円や、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠といった枠構成は引き継がれています。

交付申請の要件になっているのが、次の2つです。

  • GビズIDプライムの取得 — 発行までおおむね2週間
  • SECURITY ACTIONの宣言(★一つ星または★★二つ星) — 宣言済アカウントID発行までおおむね2〜3日

ここで注意したいのは、SECURITY ACTIONの宣言です。2026年4月から新しい管理システムに切り替わり、以前に宣言していたID(4で始まる11桁)は使えなくなりました。「前に宣言したから大丈夫」ではなく、今の申請サイクルで改めて宣言し直す必要があります。

申請書の作成そのものは数日でできることが多いので、実際に時間がかかるのはこの2つの事前手続きです。ツール選定や見積の相談と並行して、GビズIDの取得とSECURITY ACTIONの宣言を先に済ませておくと、締切直前で止まらずに済みます。

人材開発支援助成金—AI研修を助成で圧縮する前に知っておくこと

AI研修の費用を抑える手段として、人材開発支援助成金の人材育成支援コースを検討する会社も増えています。中小企業の場合、経費助成は最大45%、賃金助成は1時間あたり800円で、経費助成の上限額は訓練時間に応じて10時間以上100時間未満で15万円、100時間以上200時間未満で30万円です。

ただし2026年8月の改正で、対象となる研修の条件が変わりました。OFF-JT(通常業務と区別した訓練)で10時間以上であることに加え、職務に直結しない汎用的なAI研修は対象外になっています。「AIの使い方を広く学ぶ」内容ではなく、「この部署のこの業務にどう使うか」まで設計した研修であることが、助成の対象になるかどうかを分けます。研修を企画する段階で、誰のどの業務に使う研修なのかを先に言語化しておくことが、そのまま申請要件への対応にもなります。

もう一つ、実務上もっとも見落とされやすいのが訓練計画届の提出期限です。計画届は、訓練を始める日から数えて6か月前から1か月前までの間に提出する必要があり、この期限は1日でも過ぎると受理されません。「来期の研修で使おう」と考えているなら、研修の内容を詰めるのと同じタイミングで、計画届の提出スケジュールも逆算しておく必要があります。

逆算のタイミングを先に決めておく

2つの制度に共通しているのは、採択の可否より先に、動かなければならない期日があるという点です。

  • デジタル化・AI導入補助金 → GビズIDの取得、SECURITY ACTIONの宣言
  • 人材開発支援助成金 → 訓練計画届の提出(開始の1か月前が期限)

私たちも、店舗向けにITツールの導入やAI研修をご提案する際は、まずこの事前手続きの日数から逆算してスケジュールを組むようにしています。制度の詳細は厚生労働省・中小企業庁の公募要領や、管轄の労働局・ハローワークで最新の内容を確認いただくのが確実ですが、「申請書を書く前に、別の手続きがある」という前提だけ先に持っておくと、検討の進め方そのものが変わってきます。

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