
「先月より売上が落ちた。何をすればいいか」。店舗の方からいただく相談で、いちばん多いのがこれです。そのとき私たちが最初にお聞きするのは「どの時間帯が落ちましたか」です。月の合計は結果であって、手を打つ場所は時間帯の中にあります。
月の合計では、手が打てない
月の売上は、たくさんの要因が混ざった数字です。雨の日が多かった、近くでイベントがあった、常連の方が転勤した。合計が下がったことは分かっても、何をするかは決まりません。
ところが同じ数字を時間帯で割ると、景色が変わります。ランチの客数は変わっていないのに、夜の客単価が落ちている。平日の夕方だけ、席が埋まっているのに売上が伸びていない。こうなると、やるべきことは一気に具体的になります。
時間帯ごとに3つの数字を並べる
私たちが勧めている表は単純です。縦に時間帯(たとえば2時間刻み)、横に次の3つを並べます。
- 客数:その時間帯に何組・何人来たか。
- 客単価:一人あたりいくら使ったか。
- 回転(または滞在時間):席がどれだけ回ったか。席数が決まっている店では、ここが売上の上限を決めます。
POSレジを使っていれば、この3つは売上データから取り出せます。手書きの伝票でも、1週間だけ時間を書き添えれば十分に傾向は見えます。
見方のコツは、3つを同時に見ることです。客数が多いのに売上が伸びていなければ客単価、客単価が高いのに伸びなければ回転、というように、どの数字が足を引っ張っているかで打ち手が変わります。
数字が指す「場所」まで降りる
たとえば、夜の客単価だけが下がっていたとします。客数は変わっていません。こういうときは、餃子やドリンクといったサイドメニューの注文が減っていないかを疑います。さらに、セルフオーダーを使っている店なら、メニュー画面でサイドメニューがどこに表示されているかまで見に行きます。表示の順番ひとつで、注文のされ方は変わります。
「売上が落ちた」という合計だけ見ていたら、画面の表示順という具体的な場所にはたどり着けません。時間帯と3つの数字に分けるのは、この「場所」まで降りるためです。自社のラーメン店「熊猫商店」でも、週に一度この表を軸に数字を見るようにしています。
まず1枚のシートから
分析ツールを入れる前に、表計算ソフトで1枚のシートを作るところから始めることをおすすめします。時間帯×3つの数字。これを4週間分並べるだけで、店ごとの「癖」が見えてきます。
数字を見る目的は、誰かを責めることではなく、次の一手を小さく決めることです。スタッフと一緒に表を見て、「今週は夕方にサイドメニューをひとこと勧めてみよう」と決める。その積み重ねが、働く側の手応えにもつながります。POSのデータ活用については POSレジ のページでもご紹介しています。