
Google Workspace を使っている会社から、「Gemini が使えるようになったけれど、何から始めればいいのか分からない」というご相談をよくいただきます。私たちの答えはいつも同じで、「書く仕事より先に、読む仕事を任せてください」です。
なお、Gemini の機能はご契約のプランや管理者の設定によって使える範囲が異なります。ここでは機能名ではなく、仕事の種類で整理します。
「書く」から始めると、評価が難しい
文章を書かせると、出てきた文に対して「うちの言い回しと違う」「少し硬い」という感想が先に立ちます。手直しの時間を含めると、速くなったのか分からない。ここで「AIは使えない」と結論が出てしまう会社を何社も見てきました。
一方で「読む」仕事は、評価がはっきりしています。長いメールのやり取りを要約してもらい、内容が合っているかを自分で確かめる。合っていれば、読む時間がそのまま浮きます。間違っていれば原文を読めばよいだけで、損はありません。
私たちが最初に勧めている3つ
- 長いメールのやり取りの要約:返信が何往復も続いたスレッドは、途中から入った人には追えません。要点と「今、誰のボールか」をまとめてもらい、原文で確かめます。この確かめる習慣が、AIとの付き合い方の基礎になります。
- 資料の要点と質問出し:取引先から届いた提案書や仕様書を読み込ませ、要点と「確認すべき点」を挙げてもらいます。読み飛ばしがちな前提条件を拾ってくれることが多く、打ち合わせの準備時間が短くなります。
- 会議の内容の整理:オンライン会議の内容をメモにまとめる使い方です。議事録を書く係がいなくなるのではなく、「書く係が内容の確認に集中できる」のが利点です。ここでも最後に人が目を通すことが前提です。
どれも「AIの出力を人が確かめる」手順が自然に入ります。この手順が身についてから「書く」仕事に進むと、手直しを前提に下書きとして使えるようになり、評価が「使えない」から「下書きとしては十分」に変わります。
社内で広げるときのコツ
私たちのAI研修では、受講者に「今週、読む仕事を1つだけ任せてみる」と決めてもらいます。範囲を1つに絞るのは、成功体験を確実に作るためです。うまくいった例は社内のチャットで共有し、「うちの会社ではこう使う」という小さなレシピを溜めていきます。
自社のラーメン店「熊猫商店」でも、取引先からの長い案内メールや食材の資料を読む場面で、この使い方をしています。現場の人ほど「読む時間」を取りにくいので、効果が分かりやすいと感じています。
Google Workspace と Gemini の活用は DX・AI研修 のメニューにも組み込んでいます。何から任せるか迷ったら、まずは読む仕事からお試しください。